市長の企業訪問記

セイコーエプソン株式会社

訪問日:2017年02月17日(金)

 今回訪問した企業は、千歳美々ワールドに立地する「セイコーエプソン株式会社」です。 
 セイコーエプソン株式会社千歳事業所は、平成16年に竣工し、3LCD方式プロジェクターの高温ポリシリコンTFT液晶パネルの製造を行っています。

 セイコーエプソン株式会社千歳事業所は、3LCD方式プロジェクターの基幹部品である高温ポリシリコンTFT液晶パネルのパネル工程を行っています。千歳事業所で生産しているパネルは、1画素が髪の毛の約1/10(8μm=8/1000mm)の太さで、1パネル内には約200万個の画素(フルハイビジョン対応)が存在する非常に高精細なもので、世界でも2社しか製造できないとのことでした。
 こちらで製造されたパネルは、海外の工場で製品に組み込まれているそうです。
 1階エントランスでは、製品展示を行っており、プロジェクター3台により投影、合成された大型のパノラマ映像は高精細で、明るい室内でも、圧巻の迫力でした。
 プロジェクターのスケルトンモデルも展示されており、千歳事業所で生産されたパネルがどのように組み込まれているのか、確認することができました。工場で生産された部品が製品に組み込まれていることを実感することで、従業員のモチベーションにも繋がっているとのことでした。
 プロジェクターの販売台数は右肩上がりで、現在の世界シェアは約35%で第1位です。
 大型の高光束プロジェクターは、25000ルーメンの高輝度モデルで、50m先にも投影できるそうです。高級車1台分の価格だそうですが、貸し出しも行っており、スモークや埃にも強く、コンサートやイベントなどで活躍しているそうです。
 スマートグラスは、非常に小型軽量で、装着の煩わしさが無く、透過型のため、周囲を確認できる状態で、映像を楽しむことができるものでした。個人で映像を楽しむほか、最近では、工場などでの業務用途の割合が増えているそうです。
 実際にクリーンルームの製造ラインを見学窓から見せていただきましたが、ロボットが作業を行うため、人影はあまり見当たりませんでした。この施設は、環境に配慮した設計となっており、クリーンルームは、装置と製品を運搬する容器内をクラス10、それ以外の空間をクラス100とする局所化により30%のエネルギー削減となっているそうです。クラス100とは1フィート立方中に0.5ミクロン以上の微粒子が100個以下であることで、目安として、郊外の住宅地では、およそクラス400000と言われています。
渡辺事業部長からは、千歳事業所は、プロジェクターの基幹部品を製造する重要な拠点であり、事業所の発展や地域での雇用拡大に前向きなお言葉をいただきました。
 改めて、世界中の様々な現場で活躍するプロジェクター製品の基幹デバイスが、千歳から発信されていることを誇らしく思うとともに、今後の設備投資や新たな雇用に繋がる事業の拡大を期待しております。
 本日は長野県からお出迎えいただいた執行役員の渡辺事業部長、中村部長をはじめ、お忙しい中ご対応いただきました石井部長や皆様に改めて感謝いたします。